ケレン作業の種類
屋根塗装・外壁塗装では塗装をする前にケレン作業と呼ばれる作業が行われます。これは仕上がりに大きく差が出る工程です。どのようなことを行い塗装工事へと進めていくのか知っておきましょう。
ケレン作業とは
ケレンとは、元は英語でクリーン(clean)がなまった形で日本に入ったものと言われています。日本人にはcleanがケレンに聞こえたのでしょう。そのままケレンという呼び方が定着したと思われますが、意味は「清掃」「美装業務」のことを言います。
塗装で行われるケレン作業は、主に鉄部や木部に行われ塗装面に残った古い塗膜を取り除いたり、錆などの不要な汚れを落としたりします。
また、塗装面をきれいにするだけでなく、あえて表面を傷つけて塗料との密着性を高める「目粗し」と呼ばれるものもケレン作業に含まれます。
車の板金塗装はこれらを足付けと呼び、表面の目荒らしを入念にし、密着性を高め塗装を重ね塗りします。
ケレン作業とは
外壁や屋根の表面には古い塗膜や錆やカビなどの汚れが付着しています。その上に塗装してもすぐに剥がれてしまうのです。
ケレン作業はそのような汚れを取り除き、塗料の密着性を高める効果があります。さらに塗装後に凸凹ができないように表面を滑らかにする役割があります。
ケレン作業が不十分の場合、2~3年で剥がれてくることもありますので、この工程はとても重要です。
ケレンを行うタイミング
一般的にケレン作業は高圧洗浄のあとに行います。高圧洗浄だけでは落とせない塗膜や汚れなどを取り除いていきます。
ケレンの種類
1種ケレン(RA種)
劣化が激しく腐食が進んでいる場合に行われます。古い塗膜や錆などを完全に除去する作業です。
橋梁の鉄部や鉄筋コンクリート造の外壁塗膜の完全除去する場合に行うもので一般住宅ではほとんど使用されることはありません。
主にブラスト工法やウォータージェット工法と呼ばれる機械で塗膜を落としてからしていく方法です。
2種ケレン(RB種)
錆や脆弱塗膜が均等に広がり状態が酷い場合に行う作業です。主に金属屋根や鉄部、木部の下地処理で行われます。
薬剤を使わずワイヤブラシやディスクサンダーなど電動工具を使い、工具で処理できない部分は手工具で古い塗膜や錆を除去していきます。
一般的には活膜は残す場合が多く、活膜面もすべて目粗しします。
3種ケレン(RC種)
最も一般的なケレン作業で古い塗膜の剥がれや錆、汚れなどが比較的少なく軽度な場合に行われます。
電動工具を使用する場合もありますが、主にスクレパーや紙やすりなどの手工具で劣化している部分を撤去していきます。この時に劣化していない活膜は残します。
4種ケレン
錆や汚れが少なく状態が良い場合に行うケレン作業で、電動工具でなく紙やすりやブラシなどの手工具で作業していきます。
見積書について
通常、見積書には各工程について記載がありますが、ケレン作業は見積りに記載されていない場合もあります。
ケレン作業は見積書の中でも省かれやすい工程で、業者の中にはケレン作業を行わず適正な工程で塗装工事をしない業者が存在することも事実です。
また記載方法も「下地処理」や「素地調整」などと様々です。その工程の中にケレン作業があるかどうかを確認することが必要となります。
まとめ
ケレン作業とは、電動工具や手工具を使用し塗装面の古い塗膜や錆、汚れを除去する作業です。
塗料の密着性を高める重要な作業工程です。
仕上がりを左右する大事な工程にも関わらず、ケレン作業を行わない業者もありますので、見積書をしっかりと確認し、注意するのは大切になります。