外壁からの雨漏り
目次
外壁の構造
まずは外壁の構造からご説明していきます。
1・防湿フィルム
壁内の室内から水蒸気流入を防いで壁内結露を防止。
2・断熱材
空気層を多く含んだ材料で、室内→外部 外部→室内の熱の出入りを防ぐ。
3・透湿防水シート
屋外側からの水は通さないが室内からの湿気は通す。
4・通気胴縁
サイディングと断熱層の間に通気層をつくり、屋外からの水、室内からの湿気調整を図る。
胴縁の配置によって外壁全体の空気の流れを作る。
5・シーリング
外壁内への水の浸入の阻止、サイディング間の圧力調整などサイディング壁内の重要な保護材。
大まかにこのような構造となっています。
モルタル外壁の場合でも同様です。
透湿防水シートにモルタルの密着がよくなるようラス網を張りこの上からモルタルを塗ります。
室内に外部からの水が浸入しないよう、透湿防水シートを守るためにサイディングやモルタルがあり、その素材の劣化を防ぐために塗装があります。
サイディング外壁の雨漏り
サイディング外壁で最も重要なのがシーリングになります。
劣化してくるのはシーリングからになります。この部分が破断してしまうと雨水が壁内へ浸入してしまいます。
透湿防水シートがありますので通常ですと防水シートが水の浸入を防いでくれるのですが、ここのおさまりが悪いとあっさり入り込んでしまいます。そうすると断熱材が水を含み断熱の効果がなくなります。それが進行していけば室内への雨漏りへとつながってしまうのです。
外壁塗装をする際にシーリングの打ち替えをしなければ塗装の意味がないくらい重要です。
サイディングの破断はご自分でも見ることができますので、一度目に届く範囲だけでも見てみてください。
モルタル外壁の雨漏り
モルタル外壁は固い素材でできているので割れやすい性質があります。窓のサッシ部分から割れてくることが多いです。
家の動きは縦にも横にも動きます。固い材質ですのでその動きに追従できずにひび割れが発生します。
水は幅0.3㎜の隙間でも浸入します。0.3㎜?とピンとこないかもしれませんが、わずかテレホンカードほどの厚みです。
今テレホンカードがないのでこれもピンときませんね…。ともかく薄いです。この隙間から入るとは考えられないかもしれませんが、水は「毛細管現象」によりわずかな隙間からでも入り込みます。
「毛細管現象」とは水が勢いよく吸い上げられる現象で、例えば乾いたスポンジを水の表面に近づけると、水の表面と接触した瞬間に勢いよく吸い上げます。この現象が外壁でも起こるのです。吸い上げる力が働いてしまいますのでグングン内部に雨水が入ってしまいます。
まだ大きなひび割れではないからと放置せず、初期症状の段階で処置をお勧めします。